ぬり絵の題材は、童話や季節の行事にしており、もし、本と絵に興味を持つきっかけになってもらえればと思っております。
こちらのページではカラーの原稿の紹介やぬり絵題材の説明などをさせて頂いております。
◯6月「うらしまたろう」
京都の浦嶋神社に残る「浦嶋太郎」の伝説は風土記や日本書紀、万葉集にも記されていたようで、日本で最も古い伝説とされているようです。その後、受け継がれていくうちに変化して現在の話により近くなり、原作ともいわれているのが「御伽草子(おとぎぞうし)」の中の浦島太郎の逸話です。「御伽草子」とは、室町時代から江戸時代にかけて作られた短編物語の総称です。
現在の話では、浦島太郎は亀を助ける善行をしたのに、気の毒な結末を迎えます。「御伽草子」の方は、最終的にはハッピーエンドになるようです。 ただ、やはり竜宮城から陸に帰ってきた時、膨大な時が流れてしまっていて取り返しのつかないことになっていたところは一緒です。
私は、浦島太郎の教訓はその部分かなと考えます。
いつまでも一つの善行の褒賞や成功体験にすがって、ちやほやされて、心地よい環境の中で目先の快楽だけに捕らわれてしまうと、向上心、本当に大事にすべきこと、やりたいことを忘れてしまう。そのうちに人間の人生はあっという間に過ぎさってしまうよというようなこと。
いろんな解釈がてきるのも、童話やおとぎ話の良いところです。ぜひ味わってみて下さい!