ぬり絵の題材は、童話や季節の行事にしており、もし、本と絵に興味を持つきっかけになってもらえればと思っております。
こちらのページではカラーの原稿の紹介やぬり絵題材の説明などをさせて頂いております。
◯3月「ひなまつり」
「ひなまつり」とは、女の子の健やかな成長と幸せを願うお祝いの日のことです。
では、「雛人形」は誰なのでしょうか?
実は、お殿様は天皇、お雛様は皇后で、「雛人形」は平安時代の天皇と皇后の結婚式を表しているとのことです。
また、お殿様とお雛様の並び方には2種類あり、現在の主流としては、向かって左がお殿様
向かって右がお雛様ですが、日本古来の並べ方は、向かって右がお殿様、向かって左がお雛様だそうです。
天皇皇后は理想の夫婦。 皇后さまのように良縁にめぐり会えますようにという、願いが込められているそうです。
今回のぬり絵は平安時代のリアルお雛様を想像して制作してみました。
ところで、皆さん、「百人一首」はご存じでしょうか?その名の通り、百人の歌人の和歌一首ずつをえらび集めたものです。小学校、中学校で少し勉強した方もいらっしゃるかもしれません。「百人一首」には、色んな年代の天皇の歌も入っています。
私の好きな百人一首の歌の一つに、光孝天皇の歌があります。
「君がため 春の野に出でて 若菜摘む
我が衣手に 雪は降りつつ」
→あなたのために、まだ寒さの残る春の野原に出かけて、食べると長生きできるという春の野草を摘みました。摘んでいると、服の袖にしんしんと雪が降りかかってきましたよ。
という意味合いの歌です。
この歌の春というのは、旧暦の春(1月~3月)になり、「若菜」といはうのは「春の七草」を指します。セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)ですね。
この歌は、光孝天皇がまだ時康親王だった若い頃、男性か女性か誰かは分からないけれど、大切な人の長寿を願って春の野草を贈った時にそれに添えた歌のようです。
光孝天皇は天皇になっても自炊をしたり、誠実で謙虚な人柄だったらしいです。
今回の塗り絵のお殿様は光孝天皇のイメージで描いてみました。光孝天皇は55歳で天皇に即位したので、あくまでもイメージにはなりますが。
今年のひな祭りは暖かな春を感じさせる陽気
で迎えられそうですね。