なぎさ絵画造形教室

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Vol.8「褒めることの落とし穴」(REST6月号掲載)

※足立区佐野地域学習センター情報誌にてぬり絵コラムを掲載しております。芸術分野に関することだけではなく、生活や教育など様々な分野の事柄を題材に書いております。

 

私生活で一児の母である私は、今までの人生の中で子どもが生まれてから4歳くらいになるまでの子育て時期が一番つらい時期でした。でも、同時に、人間として成長できた時期でもあります。今、その時期にいる方、また、仕事や家事、子育てでお悩みの方、そういった方へちょっとしたヒントになればと思い執筆しております。もし、記事にご共感頂き、おすすめしたい方がいましたら是非シェアして頂ければと思います。

 

Vol.8 褒めることの落とし穴

 

「ほめる」という行為は、やる気を出させるのにとても効果的ではありますが、気を付けなくてはならない点があります。それは「褒められる為に頑張る」になってしまうと少し危険ということです。絵画教室では、子どもの絵を「上手だね」とほめるのではなく、「この空の色がきれいだね」など、いいなと思ったところを伝えるようにしています。「上手だね」と褒められると嬉しいですが、それを続けると子どもは褒められる為に「上手」な絵を描こうとします。だいたい大人がいう上手な絵というのはわかりやすい絵、つまり「写実的な絵」なのです。年齢が上がると、求められる写実さが上がってくるので、「上手に描く」のは難しくなり、描くことがだんだんと苦痛になってきます。それは絵だけではなく勉強、スポーツあらゆることに言えるでしょう。周りの評価だけを喜びにしている場合、結局は続かなくなってくるのです。ではどうすればよいのか、継続していくためには、そのこと自体が本人の楽しみや喜びである必要があります。例えば私もペン画でハッチングしている時、最高に気持ちいいと感じたり、絵を描いている時はその他の事を忘れて夢中になれます。そういう風に自分にとって楽しいと思えることなら、誰かに褒められずとも続けていけるのです。なので、子どもたちには絵をずっと続けるとまではいかなくても、絵を描くことが苦痛になって欲しくないし、絵を描く機会があった時には楽しく描いて欲しいと思うので「絵に上手い、下手はないよ」と伝えて、周りの評価は気にしないで自分が思ったように楽しく描けるように指導しています。


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